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登山ザックの洗い方と自宅収納|汗の臭いと汚れをリセットする方法

土の上に置かれたカーキ色のザック ギア

こんにちは、やまエイト編集部のエイトです。

いつも登山で使っているザック。ふと見ると汗を吸ったショルダーベルトに、うっすら白く塩を吹いた背面、座った拍子についた泥——気づけばけっこう汚れているんですよね。

気になってはいるけれど「洗濯機に入れていいのか分からないし、型崩れも怖いし」で先送り…あるあるだと思います。

私も長いこと「拭くだけ派」でした。けれど夏をまたいだザックの、あのこもったニオイ。あれの正体は蓄積した汗です。いまはシーズンの節目に押し洗いでリセットする運用に落ち着いています。やってみると意外と簡単で、戻ってくる快適さは想像以上でした。

この記事では、メーカー公式の情報をベースにした失敗しない洗い方と、洗ったあとの乾かし方、そして意外と大事な自宅での収納方法までまとめます。正しい情報と正しい手順で、大事な相棒をしっかりメンテナンスしてあげましょう。

先に結論からお伝えします。

【この記事の結論】

ザックの洗い方の基本は「中性洗剤で押し洗い→水が濁らなくなるまですすぐ→陰干し」です(出典:モンベル公式)。汚れやニオイがひどいときは、洗う前にぬるま湯のつけ置き(30分目安)を挟むと落ちがよくなります。

洗濯機・乾燥機・直射日光はNG。生地とコーティングを傷めます。

保管は風通しの良い日陰で。「吊るすか立てて、押し込まない」が当サイトの推奨です。

ザックを洗うタイミングは「シーズンの節目」と「汚れた時」

使い込まれたザックのジッパー部分

毎回洗う必要はありません。むしろ洗いすぎは生地のコーティングを傷めるといわれ、逆効果になりえます。ザックは服ほど肌に密着しないので、基本はブラシとかたく絞った布での部分ケアで十分です。

丸洗いを考えるタイミングは2つ。シーズンの節目(夏の汗を吸い切った秋口など)と、明らかに汚れた時(泥・こぼした飲み物・ニオイが気になり始めた時)です。

特に汗。ショルダーベルトと背面パッドは、想像以上に汗を吸っています。放っておくと塩分が白く浮いてきて、ニオイと生地の劣化の原因になります。「背負ったとき、なんか臭う気がする」は、洗いどきのサインです。

洗いどきセルフチェック

  • 顔を近づけると、こもったニオイがする
  • ショルダーや背面に白い粉(塩)が浮いている
  • 手が触れる場所が黒ずんでいる
  • ジッパーの滑りが悪くなってきた(砂の蓄積サイン)

2つ以上当てはまったら、丸洗いのタイミングです。

洗う前に確認:丸洗いできないザックもある

草原に並んだ2つの大型ザック

手順の前に、ひとつだけ確認を。すべてのザックが丸洗いできるわけではありません

革パーツが使われているモデル、防水性の高い特殊コーティングのモデル、フレームが取り外せない構造のモデルなどは、丸洗いで傷むことがあります。まずは自分のザックの取扱表示と、メーカー公式サイトのケア情報を確認してください。この記事で紹介するのは、一般的なナイロン・ポリエステル製ザックの標準的な洗い方です。

参考までに、主要メーカーの公式ケア情報を確認したところ、モンベルとグレゴリーはどちらも「浴槽に水を張り、薄めた中性洗剤で全体を押し洗い→陰干し」という丸洗いの手順を公式に案内しています(出典:モンベル公式グレゴリー公式)。

つまり一般的な布製ザックにとって、丸洗い自体はメーカー想定内のメンテナンスです。一方で、乾燥機やドライヤーの使用はどのメーカーも生地やコーティングを傷めるとして避けるよう案内しています。お使いのメーカーの公式サイトに「メンテナンス」「お手入れ」のページがあれば、一度目を通しておくと安心です。

迷ったら、丸洗いせず部分洗いにとどめるのが安全側の判断です。一般的なナイロン・ポリエステル製なら、この記事の手順でまず問題ありません。

ザックの洗い方【5ステップ・メーカー公式ベース】

カゴに入った洗剤とスポンジなどの洗浄用品

手順はモンベル公式のバックパックの洗濯方法をベースに紹介します。特別な道具は要りません。浴槽・中性洗剤・スポンジがあれば今日できます。

STEP1:中身を空にして、外せるものを外す

まずポケットの中身を全部出します。あまり開けないポケットには、いつ入れたか分からないものが眠っている場合もあるので、しっかり確認してください。フレームや腰ベルトなど外せるパーツは外し、ジッパーは開けておきます(出典:モンベル公式)。

STEP2:目立つ汚れを部分洗いする

泥汚れや黒ずみには、水と中性洗剤をつけてスポンジやブラシで軽くこすります。ショルダーベルトと背面パッドは汗の集中地帯なので、ここは念入りに。強くこすりすぎると生地の表面が毛羽立つので、「洗剤の力で浮かせて、優しく動かす」イメージでちょうどいいです。

STEP3:浴槽で押し洗いする

浴槽(または大きな洗いおけ)に、ザックが浸かるくらいの水を張り、中性洗剤を溶かして全体を沈めて押し洗いします。ちなみに私は、大きな洗い桶の代わりに使わなくなった衣装ケースを使っています。深さも幅もちょうどよくて、意外とおすすめです。

汚れやニオイがひどいときは、洗剤をぬるま湯に溶かしてつけ置きしてから押し洗いすると落ちがよくなります。私の目安は30分。それで取れていなければ、最大でも1時間くらいまでにしています。

ゴシゴシ揉むのではなく、上から押して離す、の繰り返し。初めて洗う方は、水がみるみる茶色くなるのを見て「今まで背負ってたのはこれか…」と軽く引くはずです。見た目はきれいでも、汗と皮脂と土埃は着実に蓄積しています。

STEP4:水が濁らなくなるまですすぐ

汚れた水を流し、きれいな水に入れ替えてまた押し洗い。これを水が濁らなくなるまで繰り返します。洗剤が残ると生地を傷めたりシミの原因になるので、すすぎは妥協しないのがコツです。

STEP5:水を切って陰干しする

ザックを逆さにして水を切り、直射日光を避けて風通しの良い場所で陰干しします。私はサーキュレーターの風を当てて乾かしています。乾きが段違いに速くなるので、扇風機でもいいのでぜひ。ただし、直射日光に当てて乾かすのは絶対にダメ。紫外線が生地にダメージを与えるためです。

覚悟してほしいのは、乾くまでの時間。特に背面パッドは水をたっぷり含むので、丸2日は見ておくと安心です。タオルで押さえて水を吸わせると短縮できます。乾いたように見えてからもう1日——生地の隙間の水分が残ったまましまうと、ニオイとカビの原因になります。だから洗うなら、次の山行まで日にちに余裕がある時を選んでください。

やってはいけない洗い方3つ

NGの文字ブロック

手軽さに負けてやりがちですが、この3つはザックの寿命を縮めます。ザックは数年〜10年単位で使える道具なので、洗い方ひとつで寿命を縮めるのは本当にもったいない。

①洗濯機で回す。バックル類が割れる、型崩れする、コーティングが剥がれる——リスクの塊です。防水コーティングされた生地は洗濯機の攻撃に耐える設計になっていません。

②乾燥機にかける。熱はコーティングと接着部分の敵です。急いで乾かしたい気持ちは分かりますが、扇風機やサーキュレーターの風に任せてください。

③直射日光でカラッと干す。先述のとおり、絶対にNGです。一見正解と思うかもしれませんが、罠です。紫外線は生地の色あせと劣化を進めます。靴を洗ったときに陰干しをすすめられるのと同じ原理ですね。干すのは必ず日陰で(出典:モンベル公式)。

帰宅後5分のケアで、丸洗いの回数は減らせる

プラスチック製の小さなブラシ

そもそも汚れとニオイを溜めにくくすれば、丸洗いは年に1〜2回で済みます。おすすめは、山から帰った日の「たった5分のルーティン」です。

①中身を全部出す(食べ物のかけらや濡れたものを残さない。ニオイと虫の予防になります)
②外側をブラシでさっと払う(乾く前の泥は落としやすく、乾いた後の泥は生地に染みます)
③玄関で一晩風を通す(汗を含んだままクローゼットに直行させない)

この3つだけです。ブラシは特別なものでなくて大丈夫。私は洗濯用のブラシや靴用のブラシを使っています。

帰宅後はヘトヘトでやる気が出ないかもしれませんが、これも登山の一環だと思って、5分だけ頑張りましょう

手間はかかりませんが、これをやるかどうかで「次に開けたときのザック」がまるで違います。虫対策で鍛えた「予防がいちばん楽」の精神は、道具のケアでもそのまま通用します。こまめに手入れしておけば大掃除級の丸洗いをしなくて済む——結局それが、いちばん楽なんですよね。

ついでにやりたいパーツ別ケア

使い捨てのゴム手袋

丸洗いのついでに、細かいパーツも見てあげると調子が長持ちします。

ジッパー…噛み合わせに砂が入ると滑りが悪くなります。乾いた歯ブラシでレールを掃くだけで動きが変わります。山道具と砂は本当に腐れ縁で、気づかないうちにあちこちに入り込んでいます。

バックル・ベルト類…割れやひび、ほつれがないかチェック。ベルトの先端がほつれていたら、ライターで軽くあぶって溶かし固めるのが定番の応急処置です(火気を使う自己責任の処置なので、本体の生地から離して短時間で。不安なら無理をせずそのままで大丈夫です)。

レインカバー…ザック本体より忘れられがちですが、こちらも汗と泥を吸っています。一緒に押し洗いして、完全に乾かしてから畳んで戻しましょう。濡れたまま丸めて戻すのがカビの王道ルートです。

底面…いちばん汚れる場所。ブラシで泥を落として、傷や擦り切れがないかも見ておきます。底の傷みは買い替えサインの筆頭です。

自宅での収納は「吊るす・立てる・押し込まない」

木陰の物干しに掛かる洗濯物

洗って乾かしたあとの置き場所も、実はザックの寿命に効いてきます。

メーカー公式が挙げる保管条件は、直射日光・車内・屋外倉庫などの高温多湿を避けて、風通しの良い日陰です(出典:モンベル公式)。要するに、人間が快適な場所はザックにも快適です。

そのうえで、おすすめの置き方は3つあります。自分の住まいに合うものをどうぞ。

  • 吊るす…クローゼットのフックや突っ張り棒に、ハンギングループで。最近は専用のリュックハンガーもあるので、それを使うのもいいですね。型崩れせず場所も取らない優等生
  • 立てる…棚や床に自立させる。中に軽く詰め物(タオルなど)をすると形が保てる
  • 押し込まない…押し入れやクローゼットの奥に押し込んで上に物を積むのが、いちばん型崩れと湿気を招きます

ベルト類はゆるめておくとテンションがかからず、バックルにも優しいです。帰宅したらまず中身を全部出して、玄関で一晩風を通してからしまう。汗を含んだまま押し込むのと、乾かしてからしまうのとでは、次に開けたときのニオイが別物です。

湿気が気になる住まいなら、乾燥剤(シリカゲル)をポケットに1つ入れておくのも手軽で効きます。お菓子や海苔の袋のものを再利用する手もありますが、開封済みは吸湿が進んでいることも多いので、しっかり効かせたいなら市販の乾燥剤が確実です。

いまは天日で干せば繰り返し使えるタイプもあって、私も無印良品のものを使っています。買い替え不要なのでおすすめです。

▼私が使っている無印の繰り返し使える除湿剤はこちら

ついでに言うと、収納前に「次の山で補充が要るもの」(絆創膏・行動食・ハッカ油スプレーの残量)をチェックしておくと、前夜の準備がさらに楽になります。ザックの定位置管理は、忘れ物防止の仕組みでもあります。次のシーズンの自分が、気持ちよく背負い始められる状態で眠らせてあげましょう。

ザックの洗い方でよくある質問

虫眼鏡とQ&Aの文字

セスキ炭酸ソーダや重曹でつけ置きしてもいい?

実は、私も汚れがひどいときはセスキ炭酸ソーダをぬるま湯に溶かしてつけ置きしてから洗うという自己流をやっていました。汚れ落ちはピカイチで、この記事を書くために調べるまでは、ひどい汚れのときはずっと使っていたほどです。セスキはアルカリ性で皮脂やタンパク質を浮かせるのが得意なので、汗汚れへの狙いとしては理にかなっています。

ただ、この記事を書くにあたって調べたところ、ザック内側の防水コーティング(ポリウレタン)はアルカリで劣化が早まるとされていて、メーカーが中性洗剤を指定しているのはこれが理由でした。ひどい汚れのときは、セスキで長時間つけるより中性洗剤でつけ置き時間を延ばすほうが安全です。どうしても使うなら短時間+念入りなすすぎで。あくまで私が実践していた自己流の方法なので推奨はしません。試す場合は自己責任でお願いします。

おしゃれ着用洗剤でもいい?専用クリーナーは必要?

基本は中性洗剤ならOKです(おしゃれ着用洗剤の多くは中性です)。メーカーからはアウトドア用品向けのクリーナーも出ていて、モンベルは自社の「O.D.メンテナンス ベースクリーナー」または中性洗剤を案内しています(出典:モンベル公式)。まずは家にある中性洗剤で十分だと思います。私もセスキを卒業して、いまは中性洗剤+ひどい汚れは専用クリーナーという組み合わせを実践中です。

▼モンベル公式が案内する定番クリーナーはこちら

洗った後、防水スプレーはかけるべき?

ザック表面の撥水が弱っていると感じたら、乾いた後に撥水スプレーで復活させるのは有効です。ただし背面など体に触れる面は滑りやすくなることがあるので、外側の生地を中心に。そもそも雨対策の本命はレインカバーなので、「かけないと使えない」ものではありません。

ニオイだけ取りたい。丸洗いせずに済む方法は?

ショルダーと背面だけの部分洗いでかなり変わります。かたく絞った布で拭いてから、風通しの良い日陰で一晩干すだけでも違います。それでも取れないニオイは、汗の塩分と皮脂が蓄積しているサインなので、丸洗いのタイミングです。

ショルダーベルトに白い粉が浮いてきた。これは何?

汗の塩分です。汗が乾いて塩だけが残った状態で、放置すると生地の劣化とニオイの元になります。かたく絞ったぬるま湯の布で拭き取るか、部分洗いでリセットしてください。白く浮くほど塩が溜まっているなら、丸洗いのいいタイミングでもあります。

カビが生えてしまった場合は?

軽い表面のカビなら、中性洗剤での丸洗い+しっかり乾燥で改善することが多いです。広範囲に及ぶ場合や、洗っても臭いが戻る場合は、生地の内部まで菌糸が入っている可能性があり、残念ながら完治は難しくなります。カビは治すより防ぐ——濡れたまましまわない、風通しの良い場所に置く、この2つでほぼ防げます。

雨でびしょ濡れになって帰った日はどうする?

その日のうちに中身を全部出して、水気をタオルで押さえ、風通しの良い場所で乾かしてください。私はタオルで拭いてから、サーキュレーターの風を当てて乾かしています。「濡れたまま一晩放置」がカビとニオイの最短ルートです。

中まで濡れてしまったと感じたときは、丸めた新聞紙を中に詰めるのも有効です。新聞紙は目に見えない無数の穴がある多孔質の紙で、湿気をよく吸ってくれます(靴の乾燥で定番のテクニックと同じです)。湿ったら新しいものに交換するのがコツ。疲れて帰った日にやる気が出ないのは百も承知ですが、ここだけは未来の自分のために頑張りどころです。

どのくらいの頻度で洗えばいい?

汗を多く吸う夏をまたいだら1回、が目安です。月1回登る人なら年1〜2回で十分。ここまで散々「洗いましょう」と言ってきましたが、実は洗いすぎもコーティングを消耗させるので、洗うのは年数回まで。「節目に1回、あとは部分ケア」のバランスがちょうどいいと思います。

まとめ:洗って、乾かして、風通しよく眠らせる

ザックの洗い方と収納のまとめ

  • 丸洗いはシーズンの節目と汚れた時だけ。普段は部分ケアで十分
  • 手順は中性洗剤で押し洗い→濁らなくなるまですすぐ→陰干し
  • 洗濯機・乾燥機・直射日光はNG
  • 保管は風通しの良い日陰に吊るすか立てて。奥への押し込みが一番の敵

道具の手入れは、次の山の準備でもあります。きれいになったザックを背負う朝は、それだけで少し気分がいい。私の色あせたおにやんま君と同じで、手をかけた道具は長く付き合える相棒になります。

これからザックを買う方・買い替えを考えている方は、容量選びで失敗しないための考え方ザック容量の記事にまとめているので、あわせてどうぞ。

ちなみに、そのザックに何を詰めるかは日帰り装備15点の全リストとしてこちらの記事にまとめています。下のカードからどうぞ。

日帰り登山の持ち物リスト15点|登山歴10年・通算800回以上の私の全装備
登山歴10年・通算800回以上の私が、日帰り登山で実際に使っている装備15点を全公開。ギア・ウェア・虫対策と補給の3ジャンルに分けて、選んだ理由と定番の他候補もあわせて紹介します。荷造り前のチェックリストとしてもどうぞ。

Enjoy the mountains!

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