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登山用ハッカ油スプレーの作り方|私が自作を続けるレシピ・使い方・注意点

虫対策

こんにちは、やまエイト編集部のエイトです。

私の登山の虫対策には、市販のディートスプレーと並ぶもうひとりの相棒がいます。それが、自作のハッカ油スプレーです。虫が特に多い場所でシュッと吹き足す用として、かれこれ10年以上作って使い続けています。

この記事では、私が実際に作っているレシピと山での使い方、そして自作ならではの注意点をまとめます。材料は3つ、作業は5分もかからないほど簡単なのに、体感の効きは抜群です。

先に結論からお伝えします。

【この記事の結論】

私のハッカ油スプレーのレシピは、無水エタノール10ml+ハッカ油20滴+レモングラスなどの精油2〜3滴+水90mlです。

精油を省いた基本のレシピなら、無水エタノール10ml+ハッカ油20滴+水90ml。まずはこちらからでも十分です。

作る順番が大事です。無水エタノールとハッカ油、精油をスプレーボトルに入れて混ぜ合わせた後、最後に水を加えてよく振ります。水を先に入れると油が分離するため、この順番だけは守ってください。

ボトルはポリスチレン(PS)製だとハッカ油で溶けるためNG。ガラス・PE(ポリエチレン)・PP(ポリプロピレン)製を選んでください。効果が高い反面、持続時間は短いので「こまめに吹き足す前提の相棒」として使うのがコツです。

ハッカ油スプレーの材料と道具【3つだけ】

ハッカ(ミント)の草むら

必要なのは次の3つ+ボトルです。すべてネットショップや近所のドラッグストア・100均でそろいます。

  • ハッカ油…20ml入りの小瓶(私は定番で安心の健栄製薬のものを使っています)
  • 無水エタノール…水とハッカ油をなじませるための必需品。選び方にコツがあります
  • …精製水または水道水(私は一度沸騰させて冷ました水道水を使っています)

そして、これらを入れる容器です。

  • スプレーボトル…香水を入れ替えて持ち歩くような小型のボトルでかまいません。ガラス・PE(ポリエチレン)・PP(ポリプロピレン)製を(私は無印良品のボトルを使っています)

必須ではありませんが、お好みでレモングラスやラベンダーなどの香り付け用の精油を足すのもおすすめです。私は基本、入れています。

ハッカ油は、スースーしたり清涼感を感じたりする主成分メントールを含む天然ハッカの精油で、昔から虫よけ・清涼用途に使われてきた定番アイテムです。

そしてこの自作、コスパが最強です。ざっくり計算してみます。

材料 購入価格の目安 1本(100ml)あたり
ハッカ油20ml 約800円 20滴(約1ml)=約40円
無水エタノール400ml 約1,400円 10ml=約35円
水90ml ほぼ0円 ほぼ0円
合計 約75円

1本あたり約75円(価格は変動します)。市販の虫除けスプレーが1本600〜1,000円ほどなので、吹き足し用に気兼ねなく使える価格です。最初にハッカ油とエタノールを買えば、ワンシーズンどころか20本分は作れます。

▼私が使っている定番で安心の健栄製薬ハッカ油はこちら

無水エタノールは「IP」ではなく「P」を選ぶ

ここでひとつ、買うときの注意です。ドラッグストアやネットで「無水エタノール」を探すと、よく似た「無水エタノールIP」という商品が並んでいます。

IPはイソプロパノールという別のアルコールを混ぜた、掃除向けのグレードです。酒税がかからないぶん安いのですが、脱脂力が強く肌への刺激になりやすいので、肌に吹くスプレー作りには純エタノールの「無水エタノールP」(またはIP表記のないもの)を選ぶのが無難です。

▼肌用ならこちら。健栄製薬の無水エタノールP(400ml)

作り方【ボトルに入れて振るだけ】

自作ハッカ油スプレーのボトル

手順は3ステップ、所要時間は5分足らず。とても簡単ですが、必ず順番は守ってください

STEP1:ボトルに無水エタノールとハッカ油を入れて混ぜる

先にスプレーボトルへ無水エタノール10mlを入れ、そこにハッカ油を20滴たらします(肌が弱い人は10滴から)。続けてお好みでレモングラスなどの精油を2〜3滴(入れなくても作れます)。フタをして、よく振って混ぜ合わせます。

当たり前ですが、水と油(ハッカ油)は混ざりません。いきなり水に垂らすと、分離したままになります。この2つの間を取り持ってくれるのが無水エタノールです。先にエタノールとなじませておくことで、水を入れてもきれいに混ざるようになります。

STEP2:水90mlを加えて、再度振って混ぜる

エタノールとハッカ油がなじんだら、水90mlを加えて、もう一度よく振ります。白っぽく濁ることがありますが、問題ありません。これで完成です。

STEP3:使う前には毎回2、3回振る

みなさんも自然にやっているかと思いますが、スプレーを使う前には必ず2、3回ボトルを振ってから使用してください。成分が分離しやすいので、これだけは習慣に。

濃さはハッカ油の滴数で調整できます。ただ私の体感では、滴数を増やしても効きがグッと上がる感じはありませんでした。なので調整は、増やすより肌に合わせて減らす方向がおすすめです。肌が弱い人や、肌に直接かけるのがメインの人は10滴から。私も以前は肌が弱く、20滴だと荒れることがあって一時期10滴で作っていました。

フレグランス系の精油を入れる場合は、自分の好きな香り方になるように量を調整してください。私は2〜3滴くらい入れています。

山での使い方——「吹き足す用の相棒」が正解

夏の樹林帯の登山道

登山前にハッカ油スプレーを吹いて、そのまま下山まで持たせる——そういう使い方ができるスプレーではありません。持続時間は市販スプレーよりずっと短く、一般に1〜2時間程度といわれています。私はそれを踏まえて1時間を目安に吹き直す運用です。汗をかけばさらに縮みます。もしこれ1本で運用するなら、時間ごとの吹き直しに加えて、汗をたくさんかいたと思ったら効果時間内でも休憩のたびに吹き直すのが大事です。

「ハッカ油は効かなかった」「普通に刺された」という声の多くは、登山前に1回吹いてそのまま——という使い方をしている印象です。このスプレーはこまめな吹き直しが肝心。そこを外すと本来の力が出ません。

私の運用はこうです。ベースの虫除けは朝、登山口でディートスプレーを全身に。ハッカ油スプレーは虫が特に多い場所に入ったときの吹き足し役です。よく動かす手足に2〜3プッシュ、休憩のたびにシュッと足す。休憩で腰を下ろす場所の周りにひと吹きしておくのも定番です。

顔まわりに直接噴射するのはNGです。目に入るとかなりしみるので、首すじや帽子のつばに吹くか、一度手のひらに出してから塗るようにしています。

効きは体感で申し分ないのに、なぜ二の矢の位置なのか。理由はシンプルで、1時間ごとに吹き直し続けるのは正直めんどうだからです。持続の長いディートを一の矢に据えて、ハッカ油は虫の多い場面で抜く二の矢。この分業が、いちばんストレスなく続きます。

そのうえで手放せない理由がもうひとつ。吹いた瞬間の清涼感です。汗だくの体に染みるスーッと感は夏山のご褒美で、虫よけが本業、冷感はうれしいおまけ。好きな香りの精油も足しているので、ちょっとしたアロマ効果もあるかもしれません。

なお、初めて使う日は、登山前に自宅で試して肌に問題がないか確認してください。荒れるようならハッカ油の滴数を減らす。それでもダメなら無理せず、市販のスプレーに切り替えましょう。ベースにする虫除けの選び方は、成分と持続時間の違いからこちらの記事で解説しています。下のカードからどうぞ。

登山の虫除けスプレー最強はどれ?虫嫌いが行き着いた三段構えの虫対策【ブヨ・アブ・蚊】
登山の虫除けスプレーに「絶対最強」の1本はありません。ディート・イカリジン・ハッカ油の違いと選び方をシーン別に整理し、虫が大の苦手な私が実践する三段構えの虫対策まで解説。ブヨ・アブ・蚊に悩む登山者向けです。

ハッカ油スプレーが効く虫・効きにくい虫

ブヨやアブの多い沢筋

先に整理すると、期待していいのは蚊・ブヨ・コバエなどの小型の虫、期待してはいけないのはハチです。

ハッカのメントールの香りは多くの虫が嫌うとされていて、私の体感でも、蚊やブヨに対しては吹いた直後の「寄ってこない感」がはっきりあります。虫の多い沢筋や樹林帯で吹き足す運用を続けているのは、この体感があるからです。

一方で、ハチに忌避効果は期待しないでください。それどころか、強い香りがハチを刺激する可能性も指摘されています。ハチ対策は「香りで追い払う」ではなく「近づかない・騒がない・巣に注意」の行動が基本です。

アブへの効果は「効いた」という声と「効かなかった」という声が割れている印象です。アブが多い場所に行くなら、ハッカ油単独ではなく、適用害虫にアブが明記されたディート30%との併用をおすすめします。虫の種類ごとの相性は、こちらの記事の整理表が便利です。

自作ハッカ油スプレーの注意点【ここだけは守って】

注意点のイメージ

手軽な自作スプレーですが、守るべき注意点が5つあります。

①ポリスチレン(PS)製の容器は溶ける

ハッカ油の成分はポリスチレンを溶かします。ポリスチレンは、CDケースや使い捨ての透明カップに使われている、硬くてパリッと割れるタイプのプラスチックです。スプレーボトルを買うときは底や側面の素材表示を確認して、ガラス・PE(ポリエチレン)・PP(ポリプロピレン)製を選んでください。ここだけは絶対です。

②作ったら1〜2週間で使い切る

防腐剤が入っていないので、長期保存には向きません。精製水や煮沸した水道水は、塩素が入っていないぶん水道水そのままより傷みやすいとされますが、正直誤差のようなものです。どの水で作っても、1〜2週間を目安に使い切ってください。だからこそ、大容量で作らないのがコツです。

③作ったら全員パッチテストを

肌が弱くない人でも、荒れる可能性は普通にあります。作ったらまず腕の内側に少量吹いて、様子を見てから使ってください。肌が弱い人は特に必ず。原液を直接肌につけるのは論外です。

④猫を飼っている家庭は使用前に要確認

ハッカ油を含む精油類は、猫にとって有害になり得るとされています。猫のいる家庭では室内での使用を避けるなど、事前にかかりつけの獣医師の情報を確認してください。

⑤目・鼻・口の近くでは使わない

スースー成分は粘膜に強い刺激になります。特に目・鼻・口の付近への直接噴射は厳禁です。顔にも使いたい人は、一度手のひらに出してから、目に入らないように慎重に塗ってください。汗と一緒に流れて目に入ることもあるので、おでこは避けるのが無難です。

⑥飛行機での遠征にはそのまま持ち込めない場合がある

盲点になりやすいのがこれです。自作スプレーはアルコール(無水エタノール)を含む液体なので、航空機では持ち込み・預け入れに制限がかかる場合があります。飛行機で行く遠征に持って行きたい場合は、事前に利用する航空会社の規定を確認してください。現地でエタノールなし(水+ハッカ油)の簡易版を作る、という手もあります(作り方は後述のFAQで)。

余ったハッカ油スプレーは家中で使い切る

玄関まわり

1〜2週間で使い切るサイクルなので、山行のあとに余った分は家で消化します。私の定番は、山から帰ったら玄関まわりになくなるまで吹きかけること。使い切りと玄関の虫よけの一石二鳥です。

ほかにも、こんな使い方をしています。

  • 靴の中にひと吹き…消臭を兼ねて、出かける前・山に行く前の定番
  • ゴミ箱のフタの裏…コットンにスプレーして両面テープで貼っておく
  • トイレットペーパーに数回吹きかけて芳香剤代わりに

玄関の虫対策そのものを整えたい方は、効かなかった対策と効いた対策を分けてまとめたこちらの記事をどうぞ。下のカードから読めます。

玄関にカメムシが大量発生するのはなぜ?効かなかった虫よけと実際に効いた対策7選
玄関にカメムシが大量発生するのはなぜか。光・暖かい壁・集合フェロモンという3つの理由を公的情報で整理し、忌避剤・玄関灯・隙間封鎖など対策7選を解説。視覚系虫よけが効かなかった私の実体験も正直にまとめました。

ハッカ油スプレーのよくある質問

よくある質問のイメージ

Q. どれくらい虫に効くの?

私の体感では、けっこう効きます。吹いた直後の「寄ってこない感」ははっきりあって、だからこそ長年作り続けています。ただし、ハッカ油の忌避きひ作用はディートやイカリジンのような承認された医薬品成分とは証明のレベルが違うので、過信は禁物。効果が高い反面、持続が短い——この特性ごと付き合うスプレーです。

Q. どの水で作るのがいい?

水道水・煮沸して冷ました水道水・精製水、どれでも作れます。私は一度沸騰させて冷ました水道水を使っています。カルキ臭が抜けるから——と言うと丁寧に聞こえますが、実際はいつも家で麦茶を作っていて、そのとき沸かしたお湯の残りを冷まして使っているだけです。深い意味はありません(笑)。保存性の話は注意点②のとおり、どの水でも1〜2週間で使い切れば誤差の範囲です。

Q. 無水エタノールなしでも作れる?

水とハッカ油だけでも作れなくはありません。ただし油が水に溶けないまま浮いている状態なので、使うたびに激しく振って、一時的に混ぜてから吹く必要があります。濃さにムラが出やすく、肌への刺激も場所によってバラつきます。さらにエタノールには保存性を高める働きもあるため、なしで作ると使用期限がさらに短くなります(数日〜1週間で使い切りたいところ)。分離と保存性、二重の理由で私はエタノールありをおすすめします。試すなら少量から。

Q. 無印のようなガラス瓶+金属キャップのアトマイザーは使える?

使えます。避けるべきはポリスチレン(PS)製の容器で、ガラス瓶は素材として最も安心です。キャップやポンプ部分が金属・PP製のものも短期間の使い切りなら問題ありません。1〜2週間で使い切るサイクルとも相性が良いです。

Q. 自作が面倒なら、市販のハッカスプレーでもいい?

もちろんです。ハッカ油メーカーからは既製品のハッカスプレーも売られていて、作る手間なく同じ方向性の使い心地が得られます。自作の利点は、圧倒的な単価の安さと、濃さ・香りを自分仕様にできること。「まず試したい」だけなら既製品から入って、気に入ったら自作に移行するのもアリです。

Q. 子どもにも使える?

使えます。天然由来なのでディートのような年齢制限の規定はありませんが、注意は必要です。濃度を薄めにして(半分の10滴くらい)、服の上を中心に、肌の様子を見ながら使ってください。心配な場合は、年齢制限のないイカリジンの市販品が確実です。

Q. ゴキブリや他の虫にも効く?

ハッカの香りを嫌う虫は多いとされていて、ゴキブリ対策やカメムシ対策に使う人もいます。私の玄関転用もその応用です。ただし殺虫効果はないので、「寄せ付けにくくする」用途と割り切ってください。

まとめ:5分かからずに作れる、夏山の「二の矢」

【この記事のまとめ】

・レシピは無水エタノール10ml+ハッカ油20滴+精油2〜3滴+水90ml。順番だけは注意:エタノール→ハッカ油→精油を先に混ぜ、水は最後
・無水エタノールは掃除用の「IP」ではなく純エタノールの「P」を選ぶ
ポリスチレン(PS)容器は溶けるのでNG。ガラス・PE・PP製を
・持続時間は短い(一般に1〜2時間・私は1時間を目安に吹き直し)。ベースの虫除けに重ねる「吹き足し役」が正解
・顔まわりは手のひら経由。原液は絶対に肌につけない。1〜2週間で使い切る
・猫のいる家庭は使用前に獣医師の情報を確認
・余ったら玄関・靴の中・ゴミ箱のフタ裏などで使い切る

市販スプレーが本命の一の矢なら、ハッカ油スプレーは頼れる二の矢です。あくまで虫よけが本業。清涼感と好きな香りは、続けたくなるうれしいおまけです。

ベースの守りがまだ決まっていない方は、私の主力ディート30%から検討してみてください。

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