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日帰り登山にヘッドライトは必要?使わない日がほとんどでも私が必ず持つ理由と、ペツル ティカを選んだ基準

夕暮れの山道でヘッドライトを点けて歩くハイカー ギア

こんにちは、やまエイト編集部のエイトです。

「日帰りなのにヘッドライトって要る?」明るいうちに下山する計画なのに、なぜライトを持つのか。日帰りなら使わない日がほとんどの装備ですから、そう思うのは自然なことです。

私の山行は通算800回を超えますが、最近はそのほとんどが日帰りです。それでもヘッドライトは必ずザックに入れています。下山が遅れて点けた日が一度や二度ではありませんし、何より暗くなってからヘッドライトがないのは、それだけで危険だからです。

先に結論からお伝えします。

結論【この記事の結論】

  • 日帰り登山でもヘッドライトは必ず持つ装備
  • 明るいうちに帰る計画でも、人の多さや道迷い・けがで下山は遅れる。秋冬の日帰りは日没に追いつかれるから
  • スマホのライトでは代わりにならない
  • 選ぶ基準は次の5つ
    ①明るさは最大200〜400ルーメン・照射距離30m以上
    ②重量は電池込みで100g以下
    ③単4電池と充電池の両対応(ハイブリッド式)
    ④ボタン1つで操作でき、ザックの中で勝手に点かない(ロック付きが便利)
    ⑤防水IPX4以上。赤色灯は泊まりの予定があるなら
  • 予算別の答えは、3,000〜4,000円台ならペツル ティキナかブラックダイヤモンド アストロ300、5,000円台ならペツル ティカ、約1万円なら充電池つきのティカ コア
  • 私が使っているのはペツル ティカ
  • ティカを何回も使ううちに、乾電池だと残量が減るにつれて暗くなるのが気になり、専用充電池のコアを買い足した

この記事では、日帰りでもヘッドライトが必要な理由、ルーメンの目安と選び方、私が使っているペツル ティカとコアの仕様と使い方、ブラックダイヤモンドなど他のモデルとの比較表をまとめます。

▼私が使っているペツル ティカはこちら

  1. 日帰り登山にヘッドライトは必要?使わない日がほとんどでも持つ理由
    1. スマホのライトでは代わりにならない理由
  2. 登山用ヘッドライトの選び方|ルーメンより先に見る5つのポイント
    1. ①明るさ(ルーメン)と照射距離の目安
    2. ②重量は100g以下を目安に
    3. ③電池方式は「乾電池と充電池の両対応」が使いやすい
    4. ④操作性|手袋のまま押せるか・誤点灯しないか
    5. ⑤防水等級(IPX4以上)と赤色灯
  3. 私が使っているヘッドライト【ペツル ティカ】
  4. 専用充電池「コア」を買い足した理由と、電池の管理
    1. 予備の単4をリチウム乾電池にしている理由
    2. これから買うなら「ティカ コア」という選択肢もある
  5. ペツル ティカと定番ヘッドライトの比較表
    1. 初心者の1本目は予算で決めていい
  6. 登山用ヘッドライトのよくある質問
    1. 低山の日帰りでも本当に必要ですか?
    2. 何ルーメンあれば足りますか?
    3. 使わないまま何年も経ちましたが、電池はそのままで大丈夫?
    4. 充電式だけのモデルではだめですか?
    5. 赤色灯は日帰りなら要りませんか?
    6. 同行者や子どもの分も1人1つ必要ですか?
    7. 100均やワークマンのヘッドライトでも大丈夫ですか?
    8. コアはモバイルバッテリーで充電できますか?
    9. ヘッドライトを2つ持つべきですか?
  7. まとめ:日帰りでもヘッドライトはザックの定位置に

日帰り登山にヘッドライトは必要?使わない日がほとんどでも持つ理由

夕暮れの山でヘッドライトを点けて歩く登山者

日帰りでも、ヘッドライトは必要です。明るいうちに帰る計画でも、下山が遅れる日があるからです。私自身、山で何回もヘッドライトを点けてきました。

登山者がとても多くて、下山が遅れた日。頂上でのんびりしすぎて、暗くなった日。早朝、まだ暗いうちに登り始めた日。泊まりなら、山小屋の消灯後にトイレへ行くときや、またテント泊の夜はテントの中でも外でも。思い出すと、点けた場面はたくさんあります。

このうち、人の多さで遅れた日と頂上で長居した日は、どちらも明るいうちに帰る計画でした。頂上での長居は完全に私の時間の使い方のミスが原因なのですが(苦笑)、人の多さのように自分ではどうにもならない遅れもあります。予定どおりに下山できない日は、誰にでも起こりうるんですよね。

私の遅れは人の多さと自分の気の緩みでしたが、もっと厄介な遅れ方もあります。道迷いとけがです。警察庁が公表している「令和7年における山岳遭難の概況等」によると、令和7年の山岳遭難は発生件数3,122件、遭難者3,623人。遭難者を態様別に見ると道迷いが30.9%と最も多く、次いで転倒19.2%、滑落17.3%と続きます(出典:警察庁「令和7年における山岳遭難の概況等」)。この数字は登山以外の山菜採りなども含む遭難全体の内訳ですが、道迷いも転倒も、起きた瞬間から下山が遅れ始めます。

道迷いが起きると何が困るのかというと、正しい道に戻るまでの時間が、そのまま下山の遅れになることです。午後に迷って1〜2時間さまよえば、秋冬なら日没に追いつかれます。転倒してけがをすれば歩くペースは落ち、それだけで下山は遅れます。

山の中は、街の感覚より早く暗くなります。

街なら、日が沈んでも街灯やビルの明かりがあって、足元が見えないほど真っ暗になることはまずありません。空を覆う木もないので、日没前から暗くなることもない。山はその逆で、明かりはなく、空を覆う木があるのです。

日没の時刻そのものが変わるわけではありません。稜線や谷に太陽がさえぎられ、樹林帯では葉が空の明るさを遮るので、時計の上ではまだ日没前なのに、道だけが先に暗くなる。空はまだ明るいのに、足元は見えない——頂上でのんびりしすぎた日に私が点けたのも、この「道だけが先に暗くなる」時間帯でした。この落差があるので、「明るいうちに帰るから要らない」とは言い切れないのです。

私は天気予報を見て登る日を選んでいますし、地図アプリはYAMAPとヤマレコを併用しているので、現在地はいつでも確認できます。それでも暗い中を歩く日はあったわけで、道迷いや転倒も、いつ起こるか分かりません。だから備えています。

一つ付け加えておくと、ヘッドライトは「暗くなっても歩き続けられる」ことを保証する道具ではありません。点灯して足元と道標が見えるようになったら、まずアプリで現在地と進む方向を確かめる。道が分からない、けがで歩けないという状況なら、無理に進まず、電波と体力があるうちに連絡と救助要請を考える。ライトはその判断をするための視界を確保する装備、と考えています。

私の場合、20Lの軽量ザックで身軽に登る日でも、ヘッドライトとレインウェアだけは絶対に持っていきます。重さは電池込みで100g前後。おにぎり1個より軽い物を省いて得られる身軽さより、暗い中を歩ける視界のほうが、比べものにならないほど価値が大きいからです。

スマホのライトでは代わりにならない理由

暗闇でスマートフォンの光を頼りに手に持っている手元

「いざとなったらスマホのライトがある」と考える人は多いはずです。ただ、調べるほど代わりにはならないと分かります。理由は3つです。

①片手がふさがる:モンベルのヘッドランプの選び方ページでは、スマホのライトは登山道での歩行を考えると手がふさがって危険、と説明されています(出典:モンベル「ヘッドランプの選び方」)。暗い下山路でバランスを崩したとき、片手が使えないのはそれだけで危ない状態です。

②スマホの電池を使ってしまう:暗くなって困っている状況は、連絡や地図アプリのためにスマホの電池を残しておきたい状況でもあります。ライトで消耗させるのは順番が逆です。

③明るさも届く距離も足りない:スマホのライトは足元や手元を照らすための光で、ヘッドライトのように遠くへ届く配光ではありません。歩きながら進む先の道を照らし続ける用途には向きません。止まって手元を照らすだけなら役に立ちますが、歩くための主灯にはなりません。

ヘッドライトは両手が空き、視線の先が明るくなり、スマホの電池を温存できる。100g足らずで3つの問題が一度に解決する装備です。日帰り装備の全体像は、こちらの記事で詳しく書いています。下のカードからどうぞ。

日帰り登山の持ち物リスト15点|登山歴10年・通算800回以上の私の全装備
登山歴10年・通算800回以上の私が、日帰り登山で実際に使っている装備15点を全公開。ギア・ウェア・虫対策と補給の3ジャンルに分けて、選んだ理由と定番の他候補もあわせて紹介します。荷造り前のチェックリストとしてもどうぞ。

登山用ヘッドライトの選び方|ルーメンより先に見る5つのポイント

登山用ヘッドライトのレンズ部分のアップ

ヘッドライト選びで最初に目が行くのはルーメン(明るさ)の数字です。ただ、明るい時間帯に一般登山道を歩く計画で、遅れに備えて持つという日帰りの使い方なら、明るさは200〜400ルーメンで足りるので、そこで悩む必要はあまりありません。差がつくのは、重さ・電池方式・操作性(ロックの有無を含む)・防水と、赤色灯の有無です。順番に見ていきます。

①明るさ(ルーメン)と照射距離の目安

ルーメンは光の総量を表す単位です。目安は用途でだいぶ違うので、私の目安と、販売店・メーカーの解説を並べてみます。

用途 目安 根拠
日帰りの備え(明るいうちに下山する計画の遅れに備える) 最大200〜400ルーメン 私の目安。旧型のティカ(最大300ルーメン)で、下山が遅れた日も早朝も歩いてきた
富士山の夜間登山 200ルーメン以上(100だと暗い) 好日山荘 瑞穂店
照射距離 最低30m・夜間の行動が必要なら50m以上 モンベル「ヘッドランプの選び方」

つまり、日帰り登山の「もしも」に備える用途なら、最大200〜400ルーメンの製品が購入の目安です。夜間の登山道や足場の悪い場所を歩く前提なら、必要な明るさも照射距離も上がります。現行のティカは単4電池で最大350ルーメン、コアを入れると最大450ルーメン(私の旧型ティカは、コアを入れても最大光量は上がりません。世代で違う点なので注意してください)。備えの目安を満たし、必要なら明るさを落として使えます。

ただし、ルーメンだけで決めるのは早いです。

モンベルの解説では、ルーメンの数値が大きいヘッドランプが必ずしも遠くまで照らせるとは限らないとした上で、照射距離は上の表のとおり最低30m、夜間の行動が必要なら50m以上のモデルをすすめています。同時に、霧や雨、地形の傾斜や障害物で照らせる距離はもっと短くなることがある、とも書かれています。照射距離はあくまで比較の目安で、道標を見つけられる距離の保証ではありません。光を広く散らすタイプは足元は明るくても遠くは届かず、遠くに絞るタイプは足元が暗い。日帰りの備えとしては、照射距離30mを下限に、夜間の行動が入る人は50m以上を目安にしてください。

②重量は100g以下を目安に

ヘッドライトは頭に付ける物なので、重いと額に食い込んで長時間はつらくなります。日帰り用なら電池込みで100g以下が一つの目安。今回比較する製品も、電池込みの重量を確認できたものはすべてこの範囲に収まります(新型スポットは、電池込みかどうかの記載を見つけられませんでした)。

重さは「ザックの定位置に置き続けられるか」にも関わります。使わない日が続く装備は、重いと必ずどこかで省きたくなるんですよね。100g以下なら、入れたままで気にならない重さです。

③電池方式は「乾電池と充電池の両対応」が使いやすい

電池方式は3タイプあります。

乾電池式:安くて電池が入手しやすい。電池が減ってくると光量が落ちる

充電式:USBで充電でき電池交換が不要。ただし充電中は使えないモデルもある

ハイブリッド式:乾電池と専用充電池のどちらでも使える

モンベルの解説でも、乾電池は電池の減少に伴い光量が徐々に落ちる、充電式は充電中に使えないモデルもあるので充電のタイミングに注意、とされています。付け加えると、明るさが落ちるかどうかは電池の種類だけでなく、ランプ側の制御方式でも変わります。同じティカでも、乾電池とコアでは照射時間の数字の出方がだいぶ違います。この違いはティカの章で詳しく書きます。

だから日帰りの備えとして持つなら、私が実際に使っているハイブリッド式をすすめます。普段は充電池で使い、万一残量が心もとなければ、持っている予備の単4電池に入れ替えてその場で点けられる。この「入れ替えがきく」安心感は、心配性の私にとって心強いんですよね。ペツルはこれを「ハイブリッドコンセプト」と呼んでいて、私がティカにコアを買い足せたのも、この仕組みがあったからです。

④操作性|手袋のまま押せるか・誤点灯しないか

店頭で試せるなら、ボタンを触ってみてください。見るポイントは2つです。

1つは大きなボタン1つで完結するか。暗い中、手袋のまま操作する場面を考えると、ボタンが小さい・複数あるモデルは扱いにくいです。もう1つはザックの中で勝手に点かない工夫があるか。誤点灯ロック機能があれば、知らないうちに点いて電池を消費する心配がありません。ロックのないモデルなら、持ち運ぶあいだは電池を抜いて袋に入れておくと安心です。ペツルはコアの取扱説明書で、ロックの有無にかかわらず、持ち運び中に不意に点灯しないようバッテリーをランプから外すことを推奨しています(出典:ペツル「コア」取扱説明書(PDF))。私もコアは本体から外して持ち運んでいます。電池を少し浮かせて入れる・逆向きに入れるといった小技は、接触不良や逆接続の原因になるのでやりません。いざ使う日に電池が空、というのがヘッドライトでいちばん避けたい失敗です。

⑤防水等級(IPX4以上)と赤色灯

防水は、日帰りならIPX4(あらゆる方向からの水しぶきに耐える)が目安です。モンベルの解説ではIPX4以上を推奨、好日山荘 瑞穂店のブログでも日帰り登山なら最低限のIPX4モデルでもOKとしつつ、暴風雨になる可能性がある富士登山はIPX7以上をすすめています。天気予報を見て登る日を選んでいても、途中で降られる可能性は残ります。だから耐水性能はIPX4を下限として確認します。現行のティカはIPX4です。

赤色灯は、日帰りだけなら出番は少ないです。ただ、赤色灯は白色灯より光がずっと弱く(ティカなら2ルーメン)、まぶしさが少ないので、山小屋やテント場で夜に周りを起こさずに手元を照らせます。だから、泊まりの予定が少しでもあるなら付いている物を選んでおくと後悔しません。私も山小屋の消灯後にトイレへ行くときや、テント泊の夜には赤色灯モードを使っています。周りを起こさない配慮が要るのは、まさにこの場面です。赤い光は虫を寄せつけにくいとも言われます。必須条件ではなく、用途次第で足す機能と考えてください。

私が使っているヘッドライト【ペツル ティカ】

▲私が使っているのは、このペツル ティカのシリーズです

私が使っているのはペツル ティカです。使い始めて4〜5年になります。ペツルはフランスのヘッドランプ・登山用具メーカーで、ティカはその中でも一番の定番モデル。登山用品店に行けばまず置いてある、という意味で「迷ったらこれ」と言われる1本です。

ティカの前は、たしかホームセンターで買った乾電池式のヘッドライトを使っていました。いちばん不満だったのは操作性です。ボタンが小さくて少し硬く、暗い中で押すたびにもたつきました。ロック機能もなかったので、ザックの中で勝手に点かないかも気になっていました。

だからティカは、登山用品店で実物を触って決めました。決め手は、大きなボタン1つで全部の操作が済む分かりやすさと、乾電池と充電池のどちらでも使えることの2つです。使い続けている理由も、結局はこの2つに尽きます。価格は現行モデルで5,830円(税込)。ホームセンターやワークマンの物や、ペツルの下位モデルもあるので、決して安い部類ではありません。私は登山装備を「山が好きな自分への推し活」だと思っているので高いと感じたことはあまりないのですが(笑)、それを差し引いても、赤色灯やロックのないティキナとの差は1,650円。その差で、山小屋やテント場で使う機能がひと通り付くと思えば納得できる金額です。

ティカは数年おきにモデルチェンジしていて、私のは最大300ルーメンの旧型です。ただ、この記事の数字は現行モデル(E061AB)の公式値で統一します。これから買う人が手にするのは現行モデルですし、世代が違っても、ボタン1つの操作と、乾電池と充電池を使い分ける考え方は同じだからです。

項目 ペツル ティカ 現行モデル(E061AB)
最大光量 350ルーメン(単4電池)/450ルーメン(コア使用時)
明るさ3段階 弱7・中100・強350(コアなら強450)ルーメン
照射距離 弱10m・中45m・強70m(コアなら75m)
照射時間(単4電池) 弱110時間・中12時間+リザーブ20時間・強2時間
照射時間(コア) 弱110時間・中7時間+リザーブ2時間・強2.5時間
赤色光 点灯2ルーメン(60時間)・点滅あり
機能 誤点灯ロック・バッテリー残量インジケータ(点灯/消灯時に表示)・蓄光リフレクター
重量 94g(単4電池3本込み)
電源 単4電池×3(付属)またはコア(別売)/アルカリ・リチウム・ニッケル水素に対応
防水 IPX4(全天候型)
保証 5年
価格 5,830円(税込)

※2026年9月時点のペツル日本公式サイト調べ(出典:ペツル「ティカ」)。照射時間はANSI/PLATO FL1規格の測定値です。

この表でいちばん見てほしいのは、中モード100ルーメンの照射時間の行(黄色の部分)です。ただし、読み方に注意が要ります。

「単4電池で12時間」は、100ルーメンが12時間続くという意味ではありません。ペツルの照射時間は、点灯30秒後から明るさが最大出力の10%に落ちるまでの時間を測った数字です(出典:ペツル「ANSI/PLATO FL1」)。つまり乾電池では100ルーメンから10ルーメンほどに落ちるまでが12時間、その後さらに歩ける程度の明るさの「リザーブ」が20時間。コアは7時間、その後のリザーブは2時間です。数字だけ見ると乾電池のほうが長く見えますが、「何ルーメンで何時間」ではないので、そのままは比べられないんですよね。しかも乾電池の12時間は、だんだん暗くなっていく12時間です。私の体感では、半分を過ぎたあたりから、正直もう本来の役目を果たしているとは言えない明るさになります。「長く使えるからいい」とは言えないのです。

もう一つ、コアの取扱説明書には、乾電池付きのヘッドランプにコアを使った場合、残量がわずかになると急に消えることがあると書かれています(出典:ペツル「コア」取扱説明書(PDF))。乾電池が徐々に暗くなっていくのに対して、コアは最後のほうまで明るさを保つので、そのぶん切れるときは急に感じるんですよね。だからコアで使う人ほど、予備の乾電池があると安心です。

日帰りで想定するのは「下山が遅れて1〜3時間、暗い中を歩く」場面です。整備された登山道なら中モード(100ルーメン)を基本に、足元が見えにくい所だけ明るさを上げれば十分です。満充電のコアや新しい電池なら、1〜3時間はカタログ値の照射時間の範囲内です。強モードは、分岐の道標を探すときや急な下りで先を確認したいときなど、必要だと思ったところで一時的に使う、という使い分けがおすすめです。私も基本は中モードで、必要だと感じたときだけ強にしています。「ここは絶対に強」という場面があるわけではなく、その時の感覚です。ただし、カタログ値の時間いっぱいまで安心して使えるわけではありません。出発前に残量と点灯を確かめ、予備の電池も持っていく。この一手間のほうが、数字より確実です。

操作は大きなボタン1つで、明るさ3段階と赤色灯をこれだけで切り替えます。手袋のままでも押しやすい大きさのボタンで、ボタン操作でロックがかかり、ザックの中で勝手に点くのを防げます。私は持ち運ぶときはロックをかけ、コアは本体から外します。本体もコアも予備の乾電池も、全部まとめてジップロックに入れていて、雨対策も兼ねた持ち方です。現行モデルなら、点灯・消灯時にインジケータでバッテリー残量の目安が分かるので、「今どれくらい残っているか」を出発前に確認できます。

細かいところでは、保証が5年と長いこと、蓄光リフレクター付きで暗いテントの中でも本体の場所が分かること、リチウム乾電池にも対応していることも、ペツルらしい作り込みです。

ザックの中では、雨蓋のポケットに入れています。雨蓋のない20Lのザックの日も含めて、暗くなってからザックの中を掘り返すのでは遅いので、すぐ出せる場所を定位置にしています。

専用充電池「コア」を買い足した理由と、電池の管理

USBケーブルをつないで充電中の小型バッテリー

ティカを使い始めて、山で何回も使ってみたところとても良かったので、専用の充電池コア(CORE)を後から買い足しました。いちばんの理由は、何度も使っているうちに、乾電池だと残量が減るにつれて明るさが弱くなり、本来の明るさを保てなくなるのが気になったからです。家で点けたときは明るかったのに、山で点けるとだんだん暗くなっていく。これは単純に怖かったです。それに、電池切れを待たずに早めに交換するのが、もったいないと感じ始めてもいました。これだけ何度も点けるなら、充電して繰り返し使えるほうがいい。出番が少ない人は、まず付属の乾電池で始めても困りません。

コアの公式スペックです。コアもリニューアルされてUSB Type-C充電に変わっているので、数字は現行モデル(E099EB00)で書きます。

①容量:1,250mAhのリチウムイオン電池

②重量:23g

③充電:USB Type-C・約3時間30分(ケーブルは別売)

④保証:2年または充電300回

⑤価格:5,060円(税込)

⑥その他:低温下でも高い性能を発揮、寿命全体で使い捨て電池約900本分に相当(出典:ペツル「コア」)

コアの利点で私が大きいと思うのは、帰宅後にケーブルを挿すだけで満タンに戻せて、次の山行に確実な状態で持って行けることです。現行のティカには残量インジケータがあるので、乾電池でも目安は分かります。ただ、乾電池は減っていると分かったら、新しい電池を用意するしかありません。コアなら「減っていたら充電する」で済み、電池を買い足すコストと手間がかからなくなります。

そして、コアにしても乾電池が使えなくなるわけではないのが、ハイブリッドの良いところです。

私は使うときはコアを入れ、予備としてリチウム乾電池の単4を3本、ザックに入れています。予備を充電池でなく乾電池にしているのには、理由が3つあります。

①手に入りやすい:単4なら出発前にコンビニなどでも補充しやすい

②待ち時間がない:充電と違い、入れ替えればすぐに点く

③長く持ち歩ける:リチウム乾電池なら保存期間が長い(理由はすぐ下で書きます)

泊まりの山行で充電できない日が続いても、乾電池に入れ替えれば最大350ルーメンで点きます。乾電池はリザーブの時間が長いので、最後まで何とか歩ければいい予備の役割にも合っています。

充電のタイミングは、使った日に帰ったら充電して、毎回満充電にして持って行く、が私の基本です。私の旧型ティカには残量インジケータがないので、残量を見て判断するのではなく、毎回満タンに戻しています。コアの取扱説明書には、長期間使わないときはバッテリーを充電してランプから外し、6ヶ月ごとに再充電すること、最適な保管温度は20〜25℃で、この環境でも12ヶ月使わなければ放電してしまうことが書かれています。私は最低でも週1回は山に登っているので気にしたことはありませんが、オフシーズンをまたぐ人は、この6ヶ月を目安にしてください。

▼私が買い足した専用充電池コアはこちら

予備の単4をリチウム乾電池にしている理由

私の予備の単4は、アルカリではなくパナソニックのリチウム乾電池です。理由は3つあります。

①長く保存できる:何年も入れっぱなしになる予備には、まずこれ

②寒さに強い:冬の山で冷えても性能が落ちにくい

③軽い:アルカリより軽く、3本持っても気にならない

メーカーの数字でも裏が取れます。パナソニックの1.5Vリチウム乾電池の公式ページによると、使用温度範囲は−40〜60℃(アルカリは5〜45℃)、保存期間は15年(温度20±2℃・相対湿度55±20%の条件)で、単4形もラインアップされています(出典:パナソニック「1.5Vリチウム乾電池」)。長く持ち歩く予備電池に欲しい性質がそろっています。

ただし、15年は指定の温湿度で保管した場合の数字です。夏の車内や、山行のたびに温度が変わるザックの中で同じ期限を保証する物ではありません。年に1回は取り出して、外観と使用推奨期限を見ておく程度の点検は要ります。

一つ注意があります。リチウム乾電池は初期電圧がアルカリより高いため、メーカーも一部の機器では適切に動作しない場合があると注意しています。ティカは公式にリチウム乾電池対応と明記されているので問題ありませんが、他のライトで使う場合は取扱説明書の対応電池を確認してください。

これから買うなら「ティカ コア」という選択肢もある

私はティカ本体を買ってから後でコアを足しましたが、これから買う人にはティカ コアという、最初からコアが付属したモデルがあります。本体5,830円+コア5,060円=10,890円に対して、ティカ コアは10,120円(税込)。別々に買うより770円安いので、充電池で使うと決めているならこちらのほうが合理的です(出典:ペツル「ティカ コア」)。

公式の重量はティカ94g・ティカ コア84gです。この10gの差は、単4電池3本とコア(23g)の重さの違いとほぼ同じなので、ランプ側の重さはほとんど変わらないと考えてよさそうです。

乾電池で始めて、気に入ったらコアを足す。この順番でも困りませんが、私と同じ道をたどるならティカ コアから入るほうが少し得です。

ヘッドライトの充電にはモバイルバッテリーが使えます。私はAnkerのモバイルバッテリーを20,000mAhと10,000mAhの2個体制で持っていて、容量や持ち方は別の記事で書く予定です。

ペツル ティカと定番ヘッドライトの比較表

夕暮れの山道でヘッドライトを点けて歩くハイカー

ティカ以外の候補も、判断材料として並べておきます。同じペツルの別モデルと、もう一つの定番ブランドであるブラックダイヤモンドのモデル、そして予備用として有名な超小型モデルです。私が山で使ってきたのはティカとコアなので、ほかのモデルは公式スペックを同じ項目で並べています。

製品 最大光量 重量 照射距離 赤色灯/ロック 電源 防水 価格(税込)
ペツル ティカ 350lm(コアで450) 94g 70m(コアで75m) ○/○ 単4×3/コア(別売) IPX4 5,830円
ペツル ティカ コア 450lm 84g 75m ○/○ コア付属/単4×3 IPX4 10,120円
ペツル ティキナ 300lm 92g 65m ×/× 単4×3/コア(別売) IPX4 4,180円
ペツル アクティック コア 625lm 88g 115m ○/○ コア付属/単4×3 IPX4 13,530円
ブラックダイヤモンド スポット(新型) 450lm 53g(電池込みか記載なし) 116m ○(RGB)/○ 単4×3/BD1500(別売) IPX7 8,800円(入荷待ち)
ブラックダイヤモンド アストロ300 300lm 83g(電池込) 55m —/○ 単4×3/BD1500(別売) IPX4 3,410円
ペツル イーライト(予備用) 40lm 26g 15m ○/○ CR2032×2 IPX7 5,060円

※2026年10月15日時点。ペツル日本公式サイト(ティキナ・アクティック コア・イーライト)とブルーシープ(ブラックダイヤモンド国内代理店)オンラインストア(スポット・アストロ300)調べ。「—」は代理店ページで記載を確認できなかった項目です。重量は電池込みかどうかの表記がメーカーで異なります。新型スポットの53gは電池込みかどうかの記載が見つからず、旧型スポット400はブラックダイヤモンド本国公式で単4電池込み86gなので、ここだけは条件をそろえた比較ができていません。

表を見て分かるとおり、主灯として並べた6モデルは、日帰りの備えに必要な性能(200ルーメン以上・照射距離30m以上・IPX4以上)を満たしています。イーライトだけは40ルーメン・15mなので、主灯の代わりではなく予備用と割り切ってください。だから主灯どうしの違いは、赤色灯とロックの有無、電源の方式、値段の差になります。

初心者の1本目は予算で決めていい

予算と使い方でまとめると、こうです。

①予算3,000〜4,000円台で1本目:ティキナ(4,180円)かアストロ300(3,410円)。明るさ・照射距離・防水は日帰りの備えに足りる。ティキナには赤色灯・ロック・残量インジケータがなく、アストロ300にはロックモードがある

②迷ったら5,000円台:ティカ。赤色灯・ロック・残量表示付きで、後からコアを足せる

③最初から充電池で使う:ティカ コア。ティカ+コアを別々に買うより770円安い

④防水と照射距離を優先:ブラックダイヤモンド スポット。照射距離116mは表の中で一番長く、防水も主灯の中では唯一のIPX7。ただし重量は条件が不明なので、軽さを理由には選ばない

⑤本命とは別の予備を持つ:イーライト。26g・保管10年で、救急セットに入れておく用途

ブラックダイヤモンドのスポットは、やまエイト編集部で調べた範囲では、2026年10月15日時点で国内代理店(ブルーシープ)のストアに新型スポット(450ルーメン)が税込8,800円で掲載され、入荷案内の申し込み受付、つまり入荷待ちの表示になっています。旧型のスポット400(400ルーメン・単4電池込み86g・IPX8。ブラックダイヤモンド本国公式の製品ページより)はネット通販ではまだ流通しているので、買うときはどちらの型かを確認してください。

▼防水と照射距離で選ぶなら、ブラックダイヤモンドのスポットはこちら

登山用ヘッドライトのよくある質問

虫眼鏡とQ&Aの文字のイメージ

低山の日帰りでも本当に必要ですか?

必要です。低山は樹林帯が多いぶん、日没前から道が暗くなります。警察庁の統計でも高尾山などの遭難者が例年より増えたと触れられていて、低山だから安全とは言えません。100g前後の装備なので、ザックの定位置に置いたままにしておくのが一番楽で安心です。

何ルーメンあれば足りますか?

明るいうちに一般登山道を歩く計画で、遅れに備えるなら最大200〜400ルーメンが目安です。実際に歩くときは中モード(100ルーメン前後)で足りる場面が多く、強モードは分岐や急な下りで一時的に使う程度。夜間行動や足場の悪い道を前提にするなら、必要な明るさも照射距離も上がります。ルーメンより、照射距離が30m以上あるか、足元を広く照らす配光かを見てください。

使わないまま何年も経ちましたが、電池はそのままで大丈夫?

アルカリ電池は入れたままにすると液漏れの原因になります。使わない期間が長いなら、乾電池は本体から抜いて袋に入れて一緒に持ち歩くか、保存期間の長いリチウム乾電池にして、年に1回は点検しておくと安心です。私の予備の単4もリチウム乾電池です。充電池のコアは、山行前にインジケータで残量を見て、減っていれば充電。長く使わないときは充電して本体から外し、6ヶ月ごとに再充電する、というのが公式の案内です。

充電式だけのモデルではだめですか?

だめではありません。私もモバイルバッテリーを2個持って登るので、充電式でも山の中で充電はできます。差が出るのは待ち時間です。充電式だけのモデルは、山で電池が切れると充電が終わるまで待つことになります(コアでも満充電は約3時間30分)。乾電池も使えるモデルなら、予備の電池に入れ替えればすぐに点きます。日帰りの備えとして持つなら、この「復活までの時間」の差でハイブリッド式をすすめます。

赤色灯は日帰りなら要りませんか?

日帰りだけなら出番はほぼありません。ただ、山小屋泊やテント泊を1回でもするなら、光が弱くてまぶしくない赤色灯は、夜中に周りを起こさず手元を照らせるのでかなり役立ちます。ティカとティキナの差は、赤色灯・誤点灯ロック・残量インジケータ・蓄光リフレクター・付属ポーチの有無と、最大光量の50ルーメン差(350と300)です(出典:ペツル「ティカシリーズ」)。価格差は1,650円。泊まりの可能性があるか、ロックが欲しいなら、ティカをすすめます。

同行者や子どもの分も1人1つ必要ですか?

1人1つが原則です。グループで歩いていても、休憩やトイレで離れる場面は必ずありますし、前の人のライトだけを頼りに歩くと自分の足元は影になります。同行者の分も、この記事の目安(最大200ルーメン以上・照射距離30m以上・IPX4以上)を満たせば、3,000〜4,000円台の入門モデルで十分です。

100均やワークマンのヘッドライトでも大丈夫ですか?

山で使う1本にするなら、選び方のポイントのうち明るさ・照射距離・防水等級・誤点灯の防ぎ方が確認できるかで決めてください。確認できない物は、山の主灯ではなく家や車の非常用に回すのが安全です。

私も100均とワークマンの両方のヘッドライトを、店で手に取ったことはあります。値段の手軽さは魅力ですが、山に持って行くのは今もティカです。

気になったので公式のネットストアも見てみました。ダイソーの充電式ヘッドライト(税込550円)は、商品ページに明るさ(ルーメン)・照射距離・防水等級の記載がなく、手をかざすと点くセンサーは手以外にも反応する場合がある、と書かれています(出典:ダイソーネットストア「充電式センサー付きLEDヘッドライト」)。ワークマンの公式オンラインストアで見つかったのは他社製の取り寄せ品で、防水はIPX7と明記されていますが、明るさは最大140ルーメンです(出典:ワークマン公式オンラインストア「コンテックアクアヘッドライトPRO」)。どちらも2026年10月15日時点です。

この記事の目安に当てはめると、ワークマンで見つけた物は防水は合格でも明るさが目安の200ルーメンに届かず、ダイソーの物は明るさ・照射距離・防水が分かりません。どちらも家や車の非常用なら十分役に立ちますが、山の主灯には私は選びません。安いから駄目なのではなく、書いてある情報で判断できるかどうかです。付け加えると、ワークマンの物のように目安を少し下回る明るさでも、舗装された道を歩くくらいなら困らないと思います。ただ、暗い樹林帯の下りや、分岐で道標を探すような難しい場面では不十分だと、私は思います。

コアはモバイルバッテリーで充電できますか?

できます。現行のコアはUSB Type-C端子で充電するので、モバイルバッテリーとUSB-Cケーブルがあれば山小屋でも車の中でも充電できます(旧型のコアは端子が違うので、手持ちの物に合うケーブルを)。ただし充電には約3時間30分かかるので、家で満充電にしておき、モバイルバッテリーは緊急時の予備と考えるのが現実的です。

ヘッドライトを2つ持つべきですか?

明るいうちに下山する計画の日帰りなら、1つ+予備電池で足りると私は考えています。私もティカ1つ+予備のリチウム乾電池(単4)3本です。ただ、予備電池では本体の故障には対応できません。泊まりや夜明け前の出発が入る山行なら、イーライトのような26gの予備を救急セットに入れておくと保険になります。

まとめ:日帰りでもヘッドライトはザックの定位置に

まとめ【登山用ヘッドライト選びのまとめ】

  • 日帰りでもヘッドライトは必ず持つ。私も下山が遅れた日や早朝の登り始めに何回も点けている
  • 人の多さや長居、道迷い・けがで下山が遅れれば、暗くなることがある
  • スマホのライトは片手がふさがる・電池を消耗する・届かないの3点で代わりにならない
  • 明るさは最大200〜400ルーメン・照射距離30m以上が日帰りの備えの目安(夜間行動が前提なら上がる)
  • 重量100g以下・乾電池と充電池の両対応・ボタン1つ+勝手に点かない工夫・IPX4以上。赤色灯は泊まりの予定次第
  • 予算別なら3,000〜4,000円台はティキナかアストロ300、5,000円台はティカ、約1万円なら充電池つきのティカ コア
  • 私はペツル ティカ+専用充電池コアに、予備のリチウム乾電池(単4)3本。乾電池だと残量が減るにつれて暗くなるのが気になり、コアを買い足した
  • 出発前に点灯・残量・予備電池を確認する。カタログ値の照射時間いっぱいまで安心して使えるわけではない

ヘッドライトは、日帰り登山なら使わない日がほとんどの装備です。それでも、点ける日は確かにやって来ます。省かないのは、暗くなってから必要だと気づく装備の中で、ヘッドライトほど「代わりがきかない物」はないからです。

日が落ちたあとの森は本当に真っ暗で、ヘッドライトなしでは行動できません。100g足らずの重さと5,000円台の値段で、下山が遅れた日に暗い中を歩けるかどうかが変わります。ザックの定位置を1つ決めて、毎回持っていく。そして出発前に、点くかどうかと残量、予備の電池を確かめる。持ち運びと保管は、使っているモデルの説明書に合わせてください。

▼迷ったらこれ。私も使っているペツル ティカはこちら

Enjoy the mountains!

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